Debian 11へのアップグレード [Debian]
3 個のパッケージで実行時のエラーが発生したが、致命的なエラーは発生しなかった。
詳細は、以下の通りである。
・参考資料
https://www.debian.org/releases/bullseye/i386/release-notes/ch-upgrading.ja.html
1. アップグレードの前処理
(1) buster の最新パッケージへのアップデート
インストールされているパッケージを最新版にアップデートする。
(2) エラー状態にあるパッケージの確認
(a) 状態確認
# dpkg --audit
下記の状態のパッケージに関する情報が出力される。
・インストールが未完了のパッケージ (Half-Installed)
・設定に失敗したパッケージ (Failed-Config)
・何らかのエラー状態にあるパッケージ
(b) 対応
可能な限り問題の解決を行う。
問題が解決できない場合には、アンインストールを検討する。
(3) hold 状態にあるパッケージの確認
(a) 状態確認
# apt-mark showhold
該当するパッケージに関する情報が出力される。
(b) 対応
アップデートしたいパッケージは、hold 状態を解除する。
アップデートから除外したいパッケージは、hold 状態にする。
(hold の設定の場合) # apt-mark hold <pkg_name> (hold の解除の場合) # apt-mark unhold <pkg_name>
(4) apt のキャッシュの削除
# apt-get clean # apt-get autoclean
(5) システムのバックアップ
アップグレードが失敗した場合のために、システム・バックアップを行う。
2. アップグレード
2-1. リポジトリの変更
(1) /etc/apt/sources.list の編集
(a) buster を bullseye に変更する。
# cp -p sources.list sources.list.sav # sed 's/buster/bullseye/g' sources.list.sav > sources.list
(b) securiry update の設定方法が変更されてため、これに対応する。
(変更前) deb http://security.debian.org/ buster/updates main contrib non-free deb-src http://security.debian.org/ buster/updates \ main contrib non-free (変更後) deb http://security.debian.org/debian-security bullseye-security \ main contrib non-free deb-src http://security.debian.org/debian-security bullseye-security \ main contrib non-free
cf. https://www.debian.org/releases/stable/errata
(2) /etc/apt/sources.list の編集内容の反映
# apt-get update
2-2. 最小アップグレード
(1) 必要なディスク容量の確認
# apt-get -o APT::Get::Trivial-Only=true dist-upgrade
・/var/cache/apt/archives/ に必要なディスク容量が出力される。
・必要な領域がない場合には、その旨のメッセージが出力される。
(2) インストールされているパッケージの最小アップデート
# apt-get upgrade | tee /work/upgrade.log または # apt upgrade --without-new-pkgs | tee /work/upgrade.log
・他のパッケージのインストール/削除が不要なパッケージのみが対象となる。
・設定変更の可否の確認に対しては、現在の設定を使用する方を回答する。
2-3. 完全アップグレード
# apt-get dist-upgrade | tee /work/dist-upgrade.log または # apt full-upgrade | tee /work/dist-upgrade.log
・システムの完全なアップグレードが行われる。
・設定変更の可否の確認に対しては、現在の設定を使用する方を回答する。
3. アップグレード後の処理
(1) apt のキャッシュの削除
# apt-get clean # apt-get autoclean
(2) システムのバックアップ
アップグレード直後のシステム・バックアップを行う。
(3) 不要となったパッケージの削除
下記の理由から、ここでは 'apt-get autoremove' を実行しない。
・'apt-get autoremove' で削除対象となるパッケージが多数ある。
・削除対象には、必要と思われるパッケージが含まれている。
削除対象となるパッケージの一覧のみを取得し、削除の有無は後程検討する。
(4) 設定ファイルの更新
# find /etc -name \*-dist # find /etc -name \*-new # find /etc -name \*-old
・/etc 以下の *-{dist,new,old} ファイルで必要なもの採用する。
・/etc/logrotate.d/ では、上記ファイルの存在が問題となる。
(5) apt のキャッシュの削除
# apt-get clean # apt-get autoclean
(6) 再起動
# shutdown -r now
4. 備考
(1) インストール済のパッケージ数の増減
・Debian 10.10: 1579
・Debian 11.0: 1690 (+111)
(2) 実行時にエラーを発生するパッケージ
・Apache 2.4.48 … 異常終了
・iptables 1.8.7 … 異常終了
・Emacs 27.1 … 一部の機能が正常に機能しない
(備考)
対応方法について、現在調査中。
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