QpopperからDovecotへの移行

メールの格納形式を Mailbox から Maildir に変更することになり、この対応のため Qpopper から Dovecot (v2.0.9) に移行した。
Qpopper に Maildir 対応用のパッチが存在するとの情報もあるが、管理の手間という観点でソースからのインストールは避けたいので、Dovecot を使用することにした。

【現在の環境】
・OS: CentOS 6.4
・メールサーバー: postfix-2.6.6-2.2.el6_1.i686 + qpopper-4.0.19-1vl6.i686
・メール受信時のアクセス方法: APOP
・その他: IPv6 は使用しない。

手順は、以下の通りである。

1. Qpopper のアンインストール

# rpm -e qpopper-4.0.19-1vl6.i686

2. Qpopper のパスワードファイルの削除

# rm /etc/pop.auth

3. Dovecot のインストール

# yum install dovecot

・dovecot-2.0.9-5.el6.i686 がインストールされる。

4. Dovecot の設定

(1) /etc/dovecot/dovecot.conf の編集

# diff dovecot.conf dovecot.conf.org
20c20
< protocols = pop3
---
> #protocols = imap pop3 lmtp
26c26
< listen = *
---
> #listen = *, ::

[設定項目]
・protocols = pop3　　... APOP でアクセスするための設定
・listen = *　　　　　... IPv6 を使用しないための設定

(2) /etc/dovecot/conf.d/10-auth.conf の編集

# diff 10-auth.conf 10-auth.conf.org
97c97
< auth_mechanisms = apop
---
> auth_mechanisms = plain
119c119
< #!include auth-system.conf.ext
---
> !include auth-system.conf.ext
122c122
< !include auth-passwdfile.conf.ext
---
> #!include auth-passwdfile.conf.ext

[設定項目]　　... APOP でアクセスするための設定
・auth_mechanisms = apop
・#!include auth-system.conf.ext
・!include auth-passwdfile.conf.ext

(3) /etc/dovecot/conf.d/10-mail.conf の編集

# diff 10-mail.conf 10-mail.conf.org
30c30
< mail_location = maildir:~/Maildir
---
> #mail_location = 

[設定項目]　　... ~/Maildir を使用するための設定
・mail_location = maildir:~/Maildir

(4) パスワードファイルの作成

# cd /etc/dovecot
# touch users
# chown dovecot:dovecot users
# chmod 600 users

# grep <user> /etc/passwd >> users
# vi users
(パスワードの部分を {PLAIN}<パスワード> に変更する。)

(例) user1:{PLAIN}xxxxxxxx::1100:100::/home/user1:/sbin/nologin

Dovecot の APOP では、パスワードを平文で保存しなければならない。
(MD5 等でハッシュ化すると認証処理でエラーとなる。)

なお、ハッシュ化されたパスワードは、下記のコマンドにより作成できる。

% doveadm pw [-s scheme]
(scheme に指定できる値は、doveadm pw -l で確認できる。)

5. Dovecot の起動

# /etc/init.d/dovecot start
# chkconfig dovecot on

6. 追記

個人的には、APOP でのアクセスでは Qpopper の方が使い勝手が良いように思われる。
Qpopper が正式に Maildir 対応となることが望まれる。